チーズでできた月



9 ヒストリー・オブ・バイオレンス

“I'm here to make peace. Tell me what I got to do make things right.”
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LOTRで人間の王アラゴルンを演じたヴィゴ・モーテンセンの最新作です。
吉祥寺バウスのレイトショー初日で観てきました!
(以下ネタばれの為、読みたい方は文字を反転して下さい。)

ヒストリー・オブ・バイオレンス。ラストの終わらせ方が本当に秀逸でした。もしかして・・・と思ったらクレジットが流れ始めて「ここで終わるんだ、終わらせるんだ」と思いました。あのシーンで終わらせる勇気に乾杯。これから彼らがどうなっていくのか、A History of Violenceは、そして家族の崩壊は止まるのか。いい。凄くいい。

トムとジョージの顔つきが違うのもうまい。娘がお皿を持ってくるシーンにぐっと来ました。ある意味家族の中で一番力のある者(この場合は末娘か)が彼を認めた、と言うか・・・。

題名の通り暴力の歴史であり連鎖の話です。父から子へ、兄から弟へ、そして弟から皆へ・・・幸せな家族の崩壊がたった1つの、けれどもとても大きな秘密から始まるのがとても綺麗に表現されている。自分の、そして家族のアイデンティティの崩壊・・・自分の足下が、信じきってきた物がボロボロと崩れて行く瞬間を演じたマリア・ベロの演技は凄かった。

ヴィゴもエドも凄く良かった。このキャストでなければいけない作品だったと思う。かなりえぐい描写が描かれたり映し出されたりする。殴り蹴り銃を撃つ描写は下手したら粗悪なアクション映画になりうる。けれども淡々と、穏やかな音楽と共に本当に淡々と映し出されるそれらの光景は、逆に現実味を強く感じさせ・・・本当にいい。語り尽くせないくらいにぐっと来たシーンが大量にある。お互いの思惑がわかっているのに親愛の情としておでこをくっつけあう兄弟、父の命を助けるためとは言え銃で人を殺してしまった息子を銃を持ったまま抱きしめる血だらけの父親・・・

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こんな作品が作りたいと心から強く思う。

ちなみに・・・全然関係ないけどヴィゴの息子Jack役の子(アシュトン・ホームズ)がかわいいというか気に入った(笑)ずっと劇で活躍して来てヒストリ〜で映画デビューらしい。チェックしておこう♪
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# by tricksymoon | 2006-04-02 00:28 | ヒストリー・オブ・バイオレンス

5.5 風の谷のナウシカ(およびゲド戦記評)

少し前になりますが、テレビで『風の谷のナウシカ』をやっていました。
家に帰ったのが遅かったので、観られたのは最後の部分だけでした
(オウムが暴走を始める1歩手前くらい)。
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やはり宮崎駿は天才だと再確認をしました。
ストーリーの説明はいらない。
無駄な褒め言葉もいらない。
ウチの内面はナウシカやラピュタを始めとした宮崎駿作品に多大な影響を受けています。
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最近の宮崎駿作品は昔に比べたら・・・という声をよく耳にします。
『もののけ姫』辺りくらいかな?もちろん、もののけ姫も千と千尋もハウルも、ナウシカと比べてしまったら薄いのかもしれない。それでもウチは(特にもののけ姫が)大好きです。

絵を見ていると鳥肌が立ってくる。
そんな映像は数えるほどしかありません。
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その分、宮崎駿氏の息子が父の反対を押し切って作成中の『ゲド戦記』に強い不安を抱いています。ウチの過去の日記にも記載があり、ライフログにも入っているように私は『ゲド戦記』が本当に大好きです。大学の卒論のテーマも『ゲド戦記』でした。

最近、指輪物語しかりハウルしかりナルニアしかり、偉大なるファンタジーと呼ばれる作品が次々と具現化されてきています。その波にのって・・・ということなのか、そろそろかなと思っていたゲド戦記の番が来ました。しかし、ゲド戦記はこれらの作品とは一線を画しています。

実は一昨年、アメリカでゲド戦記がテレビ映画化されました。丁度卒論中だったウチは即HPを探して開き・・・開いた口がふさがらないと同時に強い憤りを覚えました。褐色の肌を持つ主人公ゲドを白人の俳優が演じていたのです。

作者Ursula K. Le Guinもそのテレビ映画のプロデューサーのインタビュー記事に異議を唱えていました。プロデューサーは「この作品は二元論を表している」と堂々と話していたのです。『ゲド戦記』が「反」二元論の作品であることは、作品を読めばすぐにわかることだというのに、ル・グウィンが悪しとする主張である二元論を飄々とそれこそゲド戦記の意図だと言い切ったのです。

20世紀の三大ファンタジーの1つであるゲド戦記シリーズの内、宮崎吾郎氏は第③巻『さいはての島へ』を映像化するそうです。既に何枚か劇中画が出ています。ウチが初めて吾郎氏の描いたゲドとアレン、そして竜の姿を見たとき、考えたのは「もうこれはゲド戦記ではない。ゲド戦記ではない、全く違う物語として観るしかない。」というものでした。

『さいはての島へ』はアドベンチャーに溢れています。Archipelagoを航海している間、襲われたり、捕まって奴隷になったり、竜と戦ったりします。なのでこの作品を選んだ理由は理解できます。けれどもせいぜい描けるのはそうした表面的なこと。名前を奪い与えることで起こる再生の意味、死の国のクモとの本当の戦いの意味、そして竜の背に乗って故郷へ戻るゲドの力尽きた姿・・・それらは決して具現化できない内面的なことだからです。

キリスト教を説いたナルニア国・ファンタジーに徹した指輪物語と違い、人間の内面性・そして東洋のtaoismをベースとしたanti-二元論のゲド戦記は、いくらジブリであっても難しいだろうというのが結論です。それでもウチは観にいくのかもしれません。全く別の、同じ名前を持った登場人物たちのパラレルのお話として。
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# by tricksymoon | 2006-03-05 22:28 | 風の谷のナウシカ

⑤『ホテル・ルワンダ』。

観ながらこんなにも何度も泣いて怒って恥じて反省して考えさせられて怒って泣いて恥じて・・・まだ2006年が始まったばかりだというのに、もう2006年No.1の作品を観てしまった。『ホテル・ルワンダ』。2006年No.1なだけでなく、今まで観てきた中でも3本の指に確実に入る作品。
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話は実際に起きた物語だ。アフリカのルワンダで1994年に起きたツチ族とフツ族の争い、100日間で100万人の大量虐殺に巻き込まれた人たちの話と言えば簡単に聞こえてしまうのだろうか。

When a country descended into madness
And the world closed its eyes
He opened his arms
And created a place
Where hope could survive
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1994年、わずか11年前のこの出来事の報道を覚えている人たちは多いだろう。その頃中学1年生になったばかりの私でさえ「ツチ族フツ族が・・・」とテレビで話題になっていたのを覚えている。ではその報道をどのような気持ちであなたは、あなたの家族は、友達は、先生は、同僚は、メディアは、評論家は、政治家は"見"て"聞"いていたのだろうか。11年前のこの大量虐殺に限らない。アフリカやアフガン、南米やアジアの諸地域の何処かで紛争や虐殺がありました、そういうニュースが流れた時、何を私たちは考えているだろうか。
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「可哀想に・・・でも私たちはどうせ何も出来ない。国連とかに任せておけばそのうち収まるよ。自分の国じゃなくて良かったね。」

実際、私はそう考えていた。そしてそう考えていた自分が本当に恥ずかしくなった。
国連は平和"維持"軍だから銃を使えない=何も出来ない。
"そのうち"で何人が苦しみ殺されているのか。実際ルワンダの大量虐殺では平均して1日に1万人が虐殺されていたのだ。私たちが「可哀想に、そのうち収まると良いね」といっている1日の間に・・・

自分には関係ない場所で起きているから、誰かがどうにかしてくれるだろう・・・世界中の特に主要国(USA,UK,France...etc)が我々と同じように考えていたとしたら?
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1人でも多くの日本人に、そして世界中の人に観てほしい、そして考えてほしい。
偽善的だとあなたは批判するだろうか。
それでも何も考えないよりは考えてほしい、今自分に出来る事は何なのか考えてほしい。それだけなのだから。
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エンディングで流れる歌詞の意味を噛みしめながら・・・

These are the cry of the children
Rwanda Rwanda
Anybody hear my cry?

If America, is the United States of America,
Then why can’t Africa, be the United States of Africa?

And if England, is the United Kingdom,
Then why can’t Africa unite all the kingdoms
and become United Kingdom of Africa?

Rwanda Rwanda, Rwanda Rwanda
Yeah, yeah.

These are the cries of the children, yeah.
Can anybody out there hear our cries?


+『ホテル・ルワンダ』関連LINKS+++++++++++++++++++++++++++++++

『ホテル・ルワンダ』公式HP
『ホテル・ルワンダ』日本公開を応援する会
エンディング曲"Million Voices" perfomed by Wyclef Jeanの歌詞
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# by tricksymoon | 2006-01-29 11:34 | ホテル・ルワンダ

④『キング・コング』。

ピージャックの長年の夢、ここにあり!
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ウチの大っ好きなThe Lord of the Rings三部作の監督であり
LOTRの出演者たちに「一番ホビットに近い」と言われていた
NZ出身のピージャックことピーター・ジャクソン監督。
LOTR公開時からずっと「僕の長年の夢はキング・コングのリメイクだ」と
言い続けて来たピージャックが長年の夢を叶えて出来たのがこの作品。

実はblack 'n' whiteのオリジナルを観てないんですが
何となく偏見を持っていて・・・何だかちゃっちそうだなと・・・
でもピージャックだし!と観に行きました。
心の中でピージャックに謝りました「もっと早く観に来なくてごめん!」って。
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いやぁ良かったんです、キング・コング!!
ナオミ・ワッツあまり好きじゃないのも観るの渋った原因だったんですけど
エイドリアン・ブロディが良かった!
ワッツも良かった!
ジャック・ブラックいいねぇ!
トーマス・クレッチマン(船長)かっこいい!
コリン・ハンクス久しぶり♪(ロズウェル振り)
しかも誰だこれって思ってたら・・・ジェイミー・ベルだ!(リトダンの子)
成長したねぇ♪
そして何より・・・キング・コングめちゃくちゃ人間くさくない?
って動きアンディさんじゃん!LOTRのゴラムで"My precious..."やってた人じゃん!
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という様に興奮しっぱなしの、全然長く感じない3時間半でした。
まぁ感情移入は微妙に難しい作品なことは確かだけど・・

まだ観ていない人たち、観る予定の無い人たち、オリジナルイメージ強い人たち、
思い切って観てみてください。
きっと観終わった後に「思ってたよりすごい面白かった!」って言っている
自分を見つける事ができます!

ちなみに激やせして1/3くらいの大きさになっちゃったピージャック監督、
どうやって痩せたんだろ・・・気になる。
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# by tricksymoon | 2006-01-21 00:30 | キング・コング

③『Mr.&Mrs.Smith』。

いやぁ、観ちゃいました!
ブラビとアンジー噂の『Mr. &Mrs. Smith』。

お互い一目惚れして結婚をしたが、実は二人はライバル組織のトップアサシン同士だったといういかにもハリウッドなお話。一見ロミジュリか?とも思いましたが、最終的にはアンジーのかっこよさを改めて見せつけられる作品でした☆
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元々ブラッド・ピットは嫌いではないけれど大好きでもない、という存在(Twelve Monkeysとsevenは最高!)。アンジーは『トゥームレイダー』を観て「あんな体になれたなら」と憧れている存在。

それにしてもこれでもか!というくらいに気持のいい映画でした(^^)
つまり何も考えなくて良い究極の娯楽映画。
ブラピとアンジーのかっこ良さをエンドレスで観ている感じで楽しかったです。
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ここから一部ネタばれなので知りたい方は下の空白を反転してください。
最後の方で倉庫から飛び出すシーンは結末は違うけれど、自分とそっくりのブラビを発掘したロバート・レッドフォードの名作『明日に向かって撃て』を思い出しませんでしたか?ウチだけ?

ただ何も考えずに後味すっきりの娯楽映画を観たい方、ダイエットやエクササイズに頑張っている方にオススメです♪

あ、あとブラビ&アンジー、妊娠おめでとう(^^)
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# by tricksymoon | 2006-01-08 23:33 | Mr. & Mrs. Smith


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